建築企画にあたる仕事は、これまで事業主(土地所有者など)がやることと考えられてきました。しかし、
(1)今日の激動する社会動向のなかにあって、需要や社会経済の先行きが不透明なため、建設事業をとりまく環境の変化が予想しにくいものになってきていること
(2)建設事業規模の増大をはじめ、多様化、複雑化が進み、事業の設計条件の設定が難しくなってきていること
(3)事業の実現へのプロジェクト・マネージメントやプロモーション、実現後の経営体制や計画など、業務領域が事業主の業務範疇や設計業務をはるかに越えたものに拡大してきていること
(4)建築活動とそれをめぐる社会的環境との相互関係の企画・調整に、大きなエネルギーが必要になってきていること
などの理由により、事業用の建物を建設して、その事業を成功させるためには「建築企画」の役割がますます重要になってきました。
建物は建てさえすれば収入に結びつくという時代は終わりました。私たちは将来にわたっての「事業企画」を考え、それを実現するために「調査企画」、「建築計画」、「テナント集客計画」、「運営管理計画」などを綿密に企て、事業主に代わり事業主の利益代表として、計画を推進し、事業を成功に導きます。
良質な建物や、良質な商品である賃貸物件をつくり出すには、都市生活やライフスタイル、ワーキングスタイルに対する提案心や商品開発心、市場の将来性や商品の行く末に対する洞察力が大事であると考えます。
長年、私たちは事業用の建物としての外国人向賃貸住宅の建築企画・設計に携わってきました。それらの経験を通して、私たちが目指している良質な建物・良質な住宅とは、「外国人向けでも日本人向けでもない、時代を超え、生活様式を超えた住宅」です。
新築物件が次々と出現する市場の中で、中古物件の新規顧客の獲得は都心中心に厳しさが増しています。軽度な手直しや設備機器の更新程度では、現状を打破できず、費用の無駄遣いになりかねません。
私たちは長年、事業用建物を市場に供給してきた経験やノウハウをもとに、生存競争を克ち抜くための新たな商品価値を生み出す企画力と設計による「貸せる物件への再生」を行っています。